そろそろ卒業論文の発表の時期がやってきました。私の研究室では、理科に限らず様々な分野の研究をして発表をしています。中でも面白かった研究は、タピオカの店に並ぶ人は自己顕示欲と関係があるのかについて調査したものでした。 さて今回も質問が来ているようです。
寺本先生がお答えします!」のコーナーでは、実際に受けた質問をもとにお答えしています。ご質問は、ページ下の「質問受付フォーム」にて常時承っています。
これまでの指導要領にあった「科学的な見方」の育成は、平成29年版指導要領では目的ではないのですか?
平成29年版指導要領では「科学的な見方」の育成が目的ではない
そろそろ卒業論文の発表の時期がやってきました。私の研究室では、理科に限らず様々な分野の研究をして発表をしています。中でも面白かった研究は、タピオカの店に並ぶ人は自己顕示欲と関係があるのかについて調査したものでした。 さて今回も質問が来ているようです。
平成20年度の学習指導要領解説の中で理科の目的は、「科学的な見方」ができるようになることになっています。平成29年度からの学習指導要領では、理科の目的が大きく変わり、「科学的な見方」を持つこと自体が目的にならなくなりました。以下の小学校理科の目標を見てみましょう。
これからは、「 資質・能力」を育成することを目的として、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3点を評価の観点にし、育成することになりました。 また、新たに「見方・考え方」というキーワードが入り、これらの「資質・能力」を育成するために働かせるものとして定義されました。
つまり、この「見方」という言葉の意味が、新旧の指導要領では異なっていることになり、前回では科学的な見方の育成がリカのゴールとなっていましたが、これからは「資質・能力」という新たなゴールを育成するための「手立て」として位置づけられるようになりました。
このように、平成29年度版の学習指導要領では「見方・考え方」はゴール ではない点が新旧の指導要領で大きな違いであると言えます。これまでのように、例えば見方を働かせること自体が目的になっているような授業や、指導案作成時に目的の中で科学的な見方 の育成が目的にならないように留意が必要です。
授業の中においては、確かに見方は「資質・能力」の育成の上で非常に重要な力であると言えます。しかしながら、教師側が働かせる見方を子どもたちに強調しすぎて、本来の授業の目的を達成できないということがないようにしたいものです。
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