寺本貴啓のブログ

【提言】小学校理科教育の持続的な質を守るために(改訂版)

―教科専科制の拡大時代における、層ごとの責任と行動―

対象:文部科学省・都道府県・市区町村教育委員会・学校管理職・指導主事

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7月21日に閣議決定された骨太方針2026は、「人づくりをおろそかにして良い社会は招来しない」と明言し、「人への投資」「公教育の再生」「教師の育成支援」を国の経済財政運営の中核に位置づけました。教育への投資が国の成長基盤として語られるいま、この方向性を学校現場でどう具体化するかが問われています。

一方、小学校の現場では、教科専科制の拡大の陰で、若手教員が理科を教える機会が失われ、研究授業の授業者を推薦できない地域が現れ始めています。担任制の時代に自然に機能していた経験の蓄積、学年団での学び合い、校内研修への参加——これらの仕組みが、専科制への移行によって静かに解体されつつあるのです。

本提言では、教員を「公教育を支える最も重要な人的資本」と位置づけ、国・教育委員会・学校管理職・指導主事の4層に対して計13の提言を示しました。今回の改訂では、骨太方針2026との整合を図りつつ、次の内容を新たに加えています。

  • AI・教育DXを活用した教員育成基盤:動画・AR教材のオンデマンド提供、生成AIによる単元構想支援、研修履歴のデジタルポートフォリオ化
  • 「研修→授業実践→授業公開→後進育成」の循環の図解:担任制時代に自然に機能していた質保証の仕組みを、専科制時代に意図的に再構築するための見取り図
  • 育成の進捗を測る評価指標(KPI):若手の理科担当率、専科制の実施形態の類型分布、担当の継続性(ブランク年数)、理科指導への不安度など8指標を、それぞれの目的・活用方法とともに提案。現場の調査負担を増やさない運用上の留意点も付記
  • 展望:「教科専科制時代の教員育成モデル」へ:ここで示した課題の構造と解決の枠組みは理科に固有のものではありません。専科制の影響が早く深刻に現れる理科で先行的にモデルを構築・検証し、各教科へ展開していく道筋を示しました

教科専科制は手段であって、目的ではありません。「誰が教えるか」の設計とともに、「誰がどのように学び続けるか」「次世代の担い手をどう育てるか」を制度に組み込むこと。政策の言葉を教室の現実につなぐ具体策として、ご活用いただければ幸いです。

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はじめに:静かに進む「理科教育の空洞化」

小学校における教科専科制の拡大は、授業の質向上や担任の負担軽減という観点から一定の合理性を持つ制度改革である。しかし現場では、制度の陰で深刻な実態が進行している。

「理科を教える教員のほとんどが教頭先生や再任用の先生であり、若手は既に何度も授業や実践発表を経験している。研究授業の授業者を推薦しようにも、該当者がいない」

これは一地域の例外ではない。専科制の拡大が、若手教員から理科を教える機会を奪い、研修の担い手を失わせ、地域の理科教育の地力を静かに削いでいる現実の縮図である。

教員は、公教育を支える最も重要な人的資本である。理科教育の質を持続的に維持・向上させるためには、授業運営の効率化という観点だけでなく、教員への投資、専門性の継承、次世代人材の育成という観点から制度を設計する必要がある。この認識は、骨太方針2026が掲げる「人への投資」「公教育の再生」および教員の専門性向上の方向性と軌を一にするものである。

問題の根は深く、一つの学校・一人の指導主事の努力だけでは解決しない。国・自治体・管理職・指導主事、それぞれの層が自らの役割を果たすことで初めて、理科教育の質は守られる。以下、層ごとに具体的な提言を示す。


現状認識:四つの構造的課題

【前提】担任制が機能していた三つの理由

専科制の問題を論じる前に、学級担任が理科を担当する従来の体制がなぜ一定の質を保てていたのかを確認しておく必要がある。その構造的な理由は三点ある。

① 担任が毎年担当することで経験が蓄積された

担任が毎年理科を担当することで、単元の流れ、実験のコツ、児童のつまずきやすいポイントが個人に積み上がっていった。年数を重ねるごとに指導の質は自然と高まり、ベテラン担任の実践知が学校の財産となっていた。専門免許がなくとも、継続的な担当経験そのものが専門性を育てる仕組みになっていたのである。

② 学年団での日常的な情報共有・教え合いができた

同じ学年を複数の担任で受け持つ体制の中で、理科の進め方や教材について日常的に情報共有・相談が行われていた。「この実験はこうすると上手くいく」「あの児童はここでつまずいた」といった実践の声が学年全体に自然と広がる、緩やかだが確実な学び合いの文化があった。

③ 校内研修に全員が参加し、学びが授業に直結した

理科を担当するのが全担任である以上、校内研修のテーマとして理科が選ばれやすく、参加者も自然と確保された。研修で学んだことが翌週の授業に直結するため、研修への動機づけも高く、学びが実践に活きる好循環があった。

専科制はこれら「自然に機能していた仕組み」を一気に解体する。問題の顕在化が遅いのは、かつて積み上げられた経験や文化の「貯金」が徐々に失われていく過程であるからにほかならない。以下、専科制の拡大がもたらす四つの構造的課題を示す。

課題① 配置の「消去法化」が進んでいる

「準備が大変だから理科を専科に」「昨年度に引き続き同じ担当」という慣習的・消去法的な配置が常態化している学校は少なくない。その結果、理科専科教員は「理科の専門家」ではなく「担任を外れた教員」であるケースが多く、専門性の担保が曖昧なまま授業が行われている。中学理科の免許を持ちながら小学校で理科を担当させてもらえないという事例も報告されており、専門性が活かされない構造が生まれている。

課題② 若手が理科を教えられない構造になっている

専科への集中により、若手教員が理科の授業を経験する機会が制度的に失われている。子どもとともに自然の事物・現象に向き合い、ともに驚き、発見し、感動する体験は、教師の感性と専門性を育む根幹である。その機会が若い世代から奪われていることは、理科教育の未来にとって大きな損失である。

課題③ 研修の担い手・参加者が減少している

理科担当者の固定化・少数化により、校内研修で理科が扱われにくくなり、地域研修会でも参加者確保が困難になっている。「推薦できる研究授業の授業者がいない」という状況は、育成の連鎖が断たれていることを示すシグナルである。

課題④ 「中学校と同じ」という誤った前提が制度設計を歪めている

教科専科制を推進する議論の背景には、「中学校で教科担任制がうまく機能しているのだから、小学校でも同様に機能するはずだ」という類推がある。しかしこの前提は、両校種の構造的な違いを無視した誤認である。中学校と小学校では、理科担当の実態が根本的に異なる。

  • 中学校:理科免許を持つ教員が、毎年継続して同じ教科を担当する。授業経験・教材知識・安全管理のノウハウが個人に蓄積され、学校内でも共有・継承される。
  • 小学校:担当者が年度ごとに変わりやすく、専門免許のない教員が担当するケースも多い。経験や知識が個人に蓄積されないまま引き継ぎが断たれ、毎年「ゼロからのスタート」が繰り返される。

この構造的な差異にもかかわらず、「専科にすれば質が上がる」という表面的な類推だけで制度が推進されると、現場の実態とかけ離れた政策判断につながる。

「免許を持った同じ先生が毎年理科を担当する中学校と、ころころ変わる小学校では状況が全く異なる」

この認識は、現場で理科教育に関わる教員・指導主事に共通している。国・自治体の制度設計において、中学校との安易な同一視を避け、小学校固有の課題として理科専科制を捉え直すことが不可欠である。


目指すべき姿:「育成の循環」を制度に組み込む

本提言の各項目が最終的に目指すのは、次の循環が各学校・各地域で回り続ける状態である。研修で学んだ教員が授業で実践し、その成果を授業公開で共有し、やがて後進を育てる側に立つ。この循環こそが、担任制の時代に「自然に」機能していた質保証の仕組みを、専科制の時代に「意図的に」再構築するものである。

研修(悉皆研修:実験・安全・評価) → 授業実践(担当授業での実装・改善) → 授業公開(研究授業:成果の共有・参観・協議) → 後進育成(TT・助言:若手の伴走、次の担い手へ) → (研修へ戻る)

育成の循環(約3年スパン)――育てられた若手が、次の育て手になる

※図解はPDF版をご覧ください


層別提言

以下、国・教育委員会・学校管理職・指導主事の4層に対し、計13の提言(A〜M)を示す。各提言は、前掲の「育成の循環」のいずれかの局面を支えるものとして相互に連動している。

【国レベル】文部科学省への提言

提言A 教科専科制の運用指針に「教員育成」の視点を明記する

現在の教科専科制に関する施策は、授業の質向上・担任負担軽減を主な目的として推進されている。これに加え、「専科教員の継続的な研修保障」「若手教員が教科指導を経験する機会の確保」を運用指針・通知等に明記し、自治体・学校が制度設計の際に育成の視点を組み込むことを促す必要がある。教員という人的資本への投資を制度の目的に位置づけることは、骨太方針2026における「教師の育成支援を一体的に進める」方針とも整合する。

提言B 理科教育に特化した研修モデルの開発・普及

学習指導要領の改訂に合わせた指導資料の整備にとどまらず、専科教員・若手担任を対象とした実践的研修プログラムのモデルを開発し、都道府県・市区町村が活用できる形で普及させること。特に、実験・観察の指導技術、安全管理、評価の在り方に関するコンテンツの充実を図る。

提言C AI・教育DXを活用した教員育成基盤の整備

国策として推進されるGIGAスクール構想・教育DXの基盤を、児童生徒の学習だけでなく教員育成にも活用すべきである。具体的には、(1)実験・観察の手順や安全管理を学べる動画・AR教材のオンデマンド提供、(2)生成AIを活用した単元構想・実験計画の壁打ち支援、(3)授業動画への時刻付きコメントによる遠隔での授業研究、(4)研修履歴・授業実践のデジタルポートフォリオ化による育成状況の可視化、が考えられる。これらは地理的・時間的制約から研修に参加しにくい教員(複数校兼務の専科、小規模校の担任など)への支援として特に有効であり、働き方改革と研修充実の両立にも資する。

提言D 補助事業・モデル事業による先行実践の支援

エリア合同研修や広域連携による研修体制の構築を、補助事業・モデル事業として支援することで、参加者確保が困難な小規模自治体における研修の持続性を担保する。

【都道府県・市区町村教育委員会レベル】への提言

提言E 理科担当者を対象とした悉皆(しっかい:原則全員参加)研修を制度化する

理科専科教員・担任を問わず、理科を担当するすべての教員を対象とした研修を、原則参加(悉皆)として年間計画に位置づける。研修内容の中心とすべき事項:

  • 実験・観察の指導技術と安全管理
  • 評価の方法など実践に直結するテーマ
  • 経験の浅い専科教員・中学免許保持者が小学校配置のケースへの重点支援
提言F 近隣自治体との合同エリア研修を組織する

単一自治体では参加者確保が困難な場合、近隣自治体・学区を越えた合同研修を積極的に組織する。多様な実践事例の共有、研修の継続的な運営、教科部会・研究会の担い手確保という観点からも、広域連携は有効かつ急務の手立てである。オンライン・ハイブリッド形式の併用により、移動負担を抑えつつ参加機会を広げることも検討に値する。

提言G 「研修→実践→発表」の育成サイクルを中長期で設計する

研究授業の推薦者がいないという状況は、育成の連鎖が途絶えたシグナルである。前掲の図が示す「研修→授業実践→授業公開→後進育成」の循環を、3年程度のスパンの育成計画として具体化する。今年度の研修参加者が、来年度・再来年度に授業者・発表者となれるよう、年度をまたいだ「人材の見通し」を持つことが、指導主事の重要な役割となる。

提言H 育成の進捗を測る評価指標(KPI)を設定する

育成サイクルが実際に機能しているかを確認するため、自治体レベルで次のような指標を年度ごとに把握・公表することを提案する。指標は教員の序列づけではなく、施策の点検・改善(PDCA)のために用いる。

  • 若手教員(採用5年以内)のうち、年間を通じて理科の授業を担当した人数・割合:若手が理科を経験する機会が制度的に確保されているかを測る。この数値の低下は、課題②で示した「若手が理科を教えられない構造」が進行しているシグナルとなる
  • 理科専科教員の研修参加率(悉皆研修・地域研修):担任を外れた消去法的配置(課題①)であっても、研修保障によって専門性を担保できているかを確認する。参加率の低い層の特定は個別支援(提言L)の起点となる
  • 理科の研究授業・授業公開の実施校数と、授業者のうち若手が占める割合:地域の授業研究文化が維持されているか、次世代の授業者が育っているかを測る。「推薦できる授業者がいない」(課題③)状態に陥る前の早期警戒指標となる
  • 研修受講者のうち、翌年度以降に授業者・発表者・指導役に回った人数(循環率):研修が受けっぱなしで終わらず、実践・公開・後進育成へと循環しているか(提言Gの育成サイクルの実効性)を直接測る、本指標群の中核となる数値である
  • 専科教員と担任のTT実施校数:「専科=一人で完結」の前提を外し、若手が理科に関わる接点(提言J)が実際に設けられているかを測る。専科制下でも学び合いの文化を維持できているかの代理指標となる
  • 理科の実施形態の類型分布:各校の理科指導体制を類型((a)全学年での専任専科制、(b)特定学年のみの部分的専科制、(c)学年内の授業交換による教科担任制、(d)学級担任制、およびこれらの併用)で把握し、自治体内の分布と経年変化を可視化する。他の指標はすべてこの類型別に集計・比較することで、どの体制で育成の循環が機能し、どこで滞っているかが判別できる
  • 理科担当者の「継続性」:今年度の理科授業者について、直近で理科を担当した年度が何年前かの分布(連続担当か、ブランク後の再担当か、初担当かを把握し、経験の蓄積・断絶の状況を可視化する)
  • 理科指導への不安度:理科担当者への自己評価アンケート(例:実験指導・安全管理・評価の各場面での不安を4件法で回答)を実施し、不安度の分布と、担当経験年数・ブランク年数とのクロス集計を把握する

**【運用上の留意点】**これらの指標の把握が学校現場の新たな調査負担とならないよう、校務支援システムや既存の人事・研修データから機械的に抽出できる設計とし、学校への新たな調査照会は最小限とする(提言Cのデジタル基盤との接続が前提となる)。また、不安度アンケートは無記名または人事評価と明確に切り離した運用とし、正直な回答が支援につながる仕組みであることを担当者に丁寧に説明する。

特に「継続性」と「不安度」の2指標を組み合わせることで、ブランクの長い担当者や不安の大きい層を特定し、研修や個別支援(提言L・M)を重点的に届けるべき対象が明確になる。これらの指標が改善しない場合は、配置・研修・支援のどこかで循環が滞っている。数値を手がかりに原因を特定し、施策を調整することが、実効性ある育成行政の要となる。

【学校管理職(校長・副校長・教頭)】への提言

提言I 教科担当配置に「専門性・希望・育成」の三軸を導入する

年度当初の教科担当決定において、以下の三点を確認・記録するプロセスを設ける。

  • 各教員の免許・得意教科・指導経験の把握
  • 理科担当への希望・意向の確認
  • 若手の育成計画との整合(誰にいつ理科を経験させるか)

「昨年度と同じ」を既定路線とせず、毎年度、意図的に配置を見直す姿勢が求められる。

提言J 若手が理科に関わる機会を意図的に設計する

専科教員と若手担任によるティームティーチング(TT)、学年内での単元ごとの分担など、柔軟な体制を検討する。「専科=一人で完結」という前提を外し、若手が理科の授業に関わる接点を意図的につくることが重要である。その際、骨太方針2026が掲げる定数改善計画の推進や外部人材(理科支援員等)の拡充を積極的に活用し、TT等の実施が既存教員の負担増とならない体制を整えることが望ましい。

提言K 管理職候補者が教科指導経験を積める環境を整える

教頭になってはじめて理科を本格担当するという状況は、本人の負担だけでなく授業の質にも関わる。ミドルリーダー段階で理科の授業経験を積めるよう、育成計画の中に教科指導の機会を意図的に位置づける。

【指導主事】への提言

提言L 研修参加者の「見える化」と継続的なフォローアップ

誰が研修に参加しているか、誰が参加できていないかを年度ごとに記録・把握する。研修から取り残されがちな教員(複数校兼務の専科、異動直後の担任など)への個別の声かけや支援を制度的に行う。研修履歴のデジタル管理(提言C)は、この見える化を大幅に効率化する。

提言M 学校訪問・授業観察を通じた個別支援の充実

地域研修だけでなく、学校への訪問・授業観察を通じて、孤立しがちな専科教員や経験の浅い担任を直接支援する。授業後の短時間の対話・助言が、教員の孤立防止と実践改善に大きく寄与する。


展望:理科から「教科専科制時代の教員育成モデル」へ

本提言は小学校理科を対象としているが、ここで示した課題の構造は理科に固有のものではない。専科制の拡大にともなう「配置の消去法化」「若手の教科経験の喪失」「研修の担い手の減少」は、音楽・図画工作・家庭科など専科化が先行してきた教科ですでに現れており、今後、専科制が広がる他教科でも同様に生じうる。担任制の時代に自然に機能していた経験の蓄積・学び合い・研修参加の仕組みが、専科制への移行によって解体されるという構造は、教科を問わず共通だからである。

その意味で、本提言の枠組み――育成の視点を制度の目的に明記すること、「研修→授業実践→授業公開→後進育成」の循環を意図的に設計すること、実施形態・継続性・不安度を含む指標で循環の状態を点検すること、AI・教育DXで育成を支えること――は、「教科専科制時代の教員育成モデル」として教科横断的に応用可能である。

理科は、実験・観察の安全管理や設備といった固有の要素を持つがゆえに、専科制の影響が早く深刻に現れる教科である。だからこそ、理科で先行的にこのモデルを構築・検証することには、一教科の質保証を超えた意味がある。理科での実践知を土台に、各教科の特性に応じた育成モデルへと展開していくこと――それが、専科制という制度改革を、教員育成の空洞化ではなく高度化へと導く道筋である。国の制度設計においても、教科ごとの縦割りではなく、こうした横断的な育成モデルの視点から専科制の運用指針を検討することを期待したい。


おわりに

子どもたちが理科を好きになるかどうかは、小学校での経験に大きく左右される。教師が子どもとともに自然に向き合い、発見を喜ぶ授業の文化を守り続けることが、理科教育の本質である。

教科専科制は手段であって、目的ではない。「誰が教えるか」の設計とともに、「誰がどのように学び続けるか」「次世代の担い手をどう育てるか」を、国から学校現場までのすべての層が連動して制度に組み込む。その視点と行動こそが、今まさに求められている。

また、国は女子中高生の理工系進路選択の支援を政策課題に掲げているが、理科への興味・関心の土台は小学校段階で形づくられる。すべての子どもが理科の楽しさに出会える授業を保障することは、理数系人材の裾野を広げるという国家的課題への、最も早い段階からの応答でもある。

骨太方針2026が掲げる「人への投資」は、教師という人材への投資なくして実現しない。理科教育の担い手を育て続ける循環を制度として整えることは、公教育の再生と教員の専門性向上という国家的課題に対する、学校現場からの具体的な応答である。


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